最近、子ども食堂のメディアでの露出が多いので書こうと思いました。

私は「子ども食堂」が子どもの貧困問題の特効薬であるとは考えていません。

子どもの貧困問題は、構造的な社会問題、富の再分配の問題なので簡単に解決できません。
 子どもの貧困は永遠の課題の一側面でしかないのです。

その一側面が日本人の目を醒ますことになりました。
多くの人達の心に刺さったのです。

国民の多くが中流という時代はとっくの昔に終わりました。
人口が少なくなり市場が小さくなるので企業は日本国から離れて儲かる場所に移動します。
貧困に苦しむ人はこれからも増えていくと思います。

また実力主義、成果主義という一見するともっともらしいルールが格差を広げました。
実力主義、成果主義を続けると最終的な勝者はひとりになってしまいます。
実力主義、成果主義は既得権益を持つ側の都合の良いロジックです。
実力主義、成果主義は助け合うという気持ちを押しのけてしまいます。

日本の戦後の奇跡は、みんなが豊かになれるという目標とそれを支える制度があったから起きたのです。

これからは国を頼ることは難しいと思います。
市民が助け合わなければなりません。

子ども食堂は誰もが参加できる社会活動だと私は考えています。
一食多く作ることで、それを誰かに分けることができます。
それが子ども食堂の基本です。
子ども食堂の登場で「街食」という言葉が霞んでしまいました。
地域で集まって食事をする場作りをしている活動です。
子ども食堂も街食の一形態です。
人が集まれば情報が交換され、気づきがあり、そこから新しいコトが起きます。
子ども食堂はきっかけです。

普通の人達が、これまでの社会福祉、社会貢献の常識やしがらみにとらわれず軽やかに活動して欲しいと思います。